ダイバーシティ推進室 > シンポジウム・セミナー参加報告 > 【寄稿】男女共同参画学協会連絡会第23期事務局運営について
更新日:2026年2月20日
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執筆者:高山範理・久保田多余子
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国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所(森林総研)では、多様な人材が能力を発揮できる研究環境づくりを重要な課題と位置づけ、ダイバーシティ推進に取り組んでいます。その一環として、一般社団法人男女共同参画学協会連絡会(以下、連絡会)において、森林総研の職員が役員として第23期(2024年11月〜2025年12月総会まで)の運営を担い、学協会横断の男女共同参画推進に貢献しました。 男女共同参画学協会連絡会とは連絡会は、理工系を中心とする学協会・大学等が連携し、学術分野における男女共同参画の推進、制度・慣行の改善、社会への情報発信などを進めるプラットフォームです。加盟組織が協力して、毎年のシンポジウム開催、政策提言、各種調査(大規模アンケート・活動調査・女性比率調査)を継続的に実施し、研究者・技術者が性別を問わず安心して研究・教育に取り組める環境整備を後押ししています。 |
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第23期は幹事学会(運営事務局)を一般社団法人日本森林学会が担い、森林総研から以下の4名が役員として運営の中核を担いました。
第23期では「研究者・技術者にとっての選択的夫婦別姓制度」をテーマに、研究現場の実態や制度的課題を把握するための大規模アンケートを実施しました。2025年4月3日〜5月31日に実施し、7,582名から回答が寄せられました。研究者・技術者のキャリア形成や職務上の不利益(論文・学会活動、研究費・契約、国際活動等)、制度改善への期待など、多角的な示唆が得られています。
調査結果は2025年6月に連絡会として公表し、プレスリリースやオンライン記者会見を通じて広く社会に発信しました。また、国会(衆議院法務委員会)での参考人陳述の場でも、本調査を根拠とした意見が示されるなど、社会的議論への貢献につながりました。調査結果は海外のNature Newsでも紹介され、学術界の課題が国際的にも共有されました。
2025年10月11日(土曜日)に「第23回男女共同参画学協会連絡会シンポジウム(〜研究者・技術者にとっての選択的夫婦別姓制度〜)」を日本大学生物資源科学部湘南キャンパスを会場に開催しました。現地参加75名・オンライン参加65名、合計140名が参加し、基調講演、話題提供、パネル討論を通じて、制度をめぐる論点を整理しました。
当日は、調査結果の報告に加え、制度の歴史・法的論点、企業・研究機関における実務上の課題、キャリア形成への影響等が共有され、参加者からの質疑・意見交換も活発に行われました。学協会の枠を超えて当事者の声を集約し、実装可能な改善策を議論する場として、連絡会活動の重要な柱となりました。
連絡会は多数の学協会が参画するため、情報共有と意思決定の迅速化が運営上の鍵となります。第23期では、議事録の簡素化、AI活用による文書作成支援、メール配信リスト(Liaison受信者)の更新といった業務改善を進め、運営負担の軽減と機動力の向上に取り組みました。会計面でも外部委託の活用等により、正確性と透明性を担保しつつ、持続可能な運営体制を整備しました。
森林・林業分野は、フィールド調査や地域との協働、行政・企業・市民との連携など、多様なステークホルダーとともに課題解決を進める領域です。研究テーマも生態・工学・社会科学・健康科学へと広がっており、背景や経験の異なる研究者・技術者が参画することで、発想の幅と研究の質が高まります。男女共同参画を含むダイバーシティの推進は、研究の生産性だけでなく、社会実装の実効性を高める基盤でもあります。
森林総研の研究・技術の発展には多様な人材が安心して挑戦できる環境が不可欠であると考えています。連絡会で得られた知見やネットワークを、研究所内の制度改善・意識啓発にも還元しつつ、国内外の関係機関・学協会と連携して、男女共同参画を含むダイバーシティ推進に今後も取り組んでいけると良いと思います。
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田中浩氏 |
佐藤宣子氏 (一般社団法人 日本森林学会) |
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