森林総合研究所について > 国際連携 > 共同研究 > 凍上現象は永久凍土上の植物多様性を規定するか:細根の深度分布と強度の観点から
更新日:2026年10月9日
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アラスカ大学フェアバンクス校国際北極圏研究センター
2025~2027年度 JSPS科研費
甘田 岳(立地環境研究領域)
急速な温暖化に伴う永久凍土の融解により、永久凍土林の巨大な炭素貯留機能が損なわれることが懸念されています。永久凍土地帯において炭素固定を担う植生の制限要因として、窒素利用等の化学的制約は評価されてきましたが、物理的制約、特に著しい土壌膨張を引き起こす凍上現象(土壌凍結時にアイスレンズと呼ばれる氷層が形成されることで土壌が持ち上がる現象)の影響は評価されてきていません。本研究を通して、凍上現象に対する新たな植物応答プロセスを解明するとともに、温暖化に伴う植生変遷予測の高精度化への貢献を目指します。
アラスカ内陸部の永久凍土上のクロトウヒ林において、新仮説「凍上現象による細根への力学的ストレスと細根の力学的強度が、永久凍土植生の細根深度分布に影響し、永久凍土林の植物多様性を規定する」を検証することを目的とします。
地表面変位を観測している衛星(干渉合成開口レーダー)のデータから、凍上程度の異なるサイトを設営します。各サイトにおいて、土壌コアを採集し、細根の深度分布を評価します。凍上によってどの程度力学的負荷が生じるのかを評価するために、土壌膨張に伴う荷重の土壌深度分布を測定するシステムを開発し、冬季に観測を実施します。この力学的負荷に対して細根が耐えられるかを評価するために、引張試験により細根の力学的強度を測定します。さらに、土壌コアを用いた凍上試験により、細根が土壌膨張によって実際にどの程度損傷するのかを評価することで、細根の凍上耐性を定量化します。
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