森林総合研究所について > 国際連携 > 共同研究 > 半島マレーシアにおける在来樹種を用いた荒廃地修復の長期評価
更新日:2025年5月1日
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マレーシアプトラ大学林学部
2023~2025年度 JSPS科研費
米田 令仁(四国支所)
近年、熱帯地域では有用樹種の伐採や農地開発による森林荒廃が深刻になり社会問題になっています。そのため、1990年代後半から2000年後半に荒廃地修復のための植林が多数行われてきました。これらの植林研究や事業ではプロジェクト期間中である3年から5年の間の成果を評価するものが多いとされています。東南アジアでも植林後の長期評価はほとんどされていないことから、どのような手法で植林すれば荒廃した森林を修復できるのか不明な点が多い状況にあります。
本研究は熱帯雨林が分布する半島マレーシアにおいて、植栽後20年以上経った荒廃地修復試験地の状況を調査することによって、樹種選択や植栽方法を再評価し、荒廃地修復技術を向上させることを目的とします。
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2000年前後に半島マレーシアで実施された植栽試験地内にプロットを設定し調査をおこないます。試験当時に植栽した木のうち、どの樹種が多く残り、どれくらい成長したのか明らかにします。また、木を植栽することで動物や鳥が訪れるようになり、種子を運んだことで樹種が増えたのか明らかにします。プロジェクトの目標通りの森林になっているのか評価し、成功した場合、失敗した場合の原因(環境要因)も調査します。これらの結果からプロジェクト当時の植栽樹種の選択や植栽方法が適切だったのか評価します。
熱帯地域での生態系修復技術を再評価することによって、効果的な樹種選択や技術を明らかにします。これらの結果は修復技術の発展に寄与することが期待されます。
米田令仁、田中憲蔵、Mohamad Azani Alias (2024) 半島マレーシアの生態系修復植林地における植栽木の20年間の成長. 第135回日本森林学会大会学術講演集 p.217 (PE-54).
米田令仁、田中憲蔵、Mohamad Azani Alias (2024) 半島マレーシアで実施された生態系修復試験で植栽された樹種の再評価.第34回日本熱帯生態学会年次大会要旨集.p68.
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