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独立行政法人科学技術振興機構主催の最先端の科学技術を直接体験して学び合う高校生向け科学技術体験合宿プログラム、サマーサイエンスキャンプを実施しました。 会期:2012年7月25日(水)13:00~7月27日(金)14:30 2泊3日 参加人数:10名 (詳細情報はサイエンスキャンプ事務局に案内があります。)
日本の国土の3分の2を占める森林は、地球温暖化の防止をはじめ、水源のかん養、生物の多様性の保全など多くの役割を果たしています。この森林を護り、育てていくためには、個々の樹木の成長や森林の発達について理解することが大切です。樹木個体の成長や森林の発達には、光・水・養分などの資源とその獲得様式が深く関係しており、実際の森林ではこれらの資源をめぐって個体間で競争が繰り広げられています。今回のキャンプでは、この中で光に着目し、発達段階が異なるスギ人工林や広葉樹林における光環境とそこに出現する植物種、ならびに樹種による成長特性の違いを調べ、樹木個体の成長や森林の発達と光をめぐる競争について学習しました。そこから、森林の育成・保全・利用について考え、チーム(3~4人)ごとに意見を述べあいまとめました。最終日にはここでまとめたことや自分なりの考えを研究員や職員の前で発表しました。 |
【キャンプのプログラム内容】 (1)森の構造と光環境 森林の構造と光環境、光環境の計測法について学習するとともに、森林総合研究所九州支所実験林内のスギ人工林や広葉樹林で光強度を計測し、その違いを学習しました。 (2)森の再生プロセス 埋土種子や前生稚樹などの森の再生の材料と、それらの材料がどのように森の再生に寄与するかを学習するとともに、再生段階の異なる林地で植生調査を行い、出現する植物種を比較しました。 (3)樹木の伸び方、太り方 樹木個体の成長様式について学習するとともに、数種の樹木を伐倒して高さ別に幹の年輪数を数えて樹高成長経過を調べ、樹種による成長特性を比較しました。 (4)葉の光合成の計り方 光合成による二酸化炭素吸収速度の測定原理を学習し、光の強さに対する光合成速度の反応について、測器による計測を体験しました。 (5)発表 このキャンプ中に得られた測定結果をもとに、光環境と森林の育成・保全・利用について考察し、プレゼンテーション資料を作成して発表しました。 |
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