広葉樹林化のための更新予測および誘導技術の開発

・森林総合研究所四国支所(機関ホームページ

どんな人工林が広葉樹林に導きやすいのか?

目的

 現在の政策では、広葉樹林化を図る際に、おもに「抜き伐り」によって広葉樹を天然更新*させることが想定されています。天然更新が成功するためには、まず、広葉樹の「もと」になる種子や稚樹が存在していなくてはなりません(その主なものとして、「散布種子(人工林外から風や動物によって運ばれる種子)」、「前生稚樹(抜き伐りの前から林内に生育している稚樹)」、「埋土種子(表土中に休眠している種子)」などがあげられます)。そして、「抜き伐り」を行なうことによって、それらの種子の発芽・定着や、稚樹の成長・生存が十分に促進されることが必要です。そこで、私たちは、高知県内のヒノキ人工林で、(1) 前生稚樹や散布種子・埋土種子の量を調べています。また、(2) 実際にヒノキの抜き伐りを行ない、広葉樹の実生の発芽・や定着の状況、前生稚樹の成長・生存について調べています。これらの研究を通して、抜き伐り後の広葉樹の天然更新のしくみを明らかにし、広葉樹林化しやすい人工林の特徴を解明することを目指しています。

*天然更新…人の手で苗木を植えたり種を播いたりせずに、森林内に天然に存在する種子や稚樹を利用して、次の世代の樹木を定着させること。



これまでの成果