先日、第2期工事を終えた錦帯橋を1年半振りに訪れた。
五連の太鼓橋を3期(足かけ4年)で架け替える事業の第2期工事を終え、第1期の第3橋(中央)が1年経過の姿、第2期の第4橋及び第5橋(横山側)が新しい姿、来期第3期の第1橋及び第2橋(岩国側)が昭和28年からの半世紀余の姿と、新旧を取り混ぜた姿が見られるめったに無い機会である。
ご存知のように第2橋から第4橋は全く同じ形であるが、今見られる姿は同じようでいて同じ印象を与えない。これは勿論架け替えを終えたかどうかの差であり、写真でも色味の違いとして一目瞭然である。
下の写真中央は、第1期竣工分の第3橋と今年第2期の第4橋をつなぐ橋台部分である。左写真は第4橋、右写真は第3橋の橋詰高欄をそれぞれ写したものである。一年の年月の経過によって木材が薄鼠色というか銀色に変色している。
錦帯橋は今まで色では無く形で評価されてきたと思うが、今現在の錦帯橋はその評価がぶれている様に思う。架け替えたばかりの新しい橋は、その神々しさを遺憾なく発揮しているように思うが、今日の木材を生かした構造デザインとか木材らしさというのは、この写真の中の今年架け替え終ったばかりの木材の色で語られることが多いのではないだろうか?
錦帯橋が1年でここまで寂色に変色したことについて木材に罪は無く、むしろこれからの50年安定した性能と構造美を与え続けてくれることに感謝するべきでは無いだろうか。また木材を生かした良いデザインは、変色を終えた後にこそ評価できると言えるのかもしれない。何しろ色が変わった後の期間のほうが長いのだから。