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小笠原の植物における花外蜜腺の役割

2006年3月23日掲載

論文名 Loss of extrafloral nectary on an oceanic island plant and its consequences for herbivory.(海洋島固有植物の花外蜜腺の消失と対被食機能の重要性)
著者(所属) 杉浦 真治(森林昆虫研究領域)、安部 哲人(森林植生研究領域)、牧野 俊一(森林昆虫研究領域)
掲載誌 American Journal of Botany(アメリカ植物学雑誌、米)、93巻3号、2006年3月
内容紹介  多くの植物は花以外の器官(花外蜜腺)からも蜜を出し、アリ等のボディーガードを誘って、植食性昆虫による食害を減らしている。小笠原諸島に分布するオオハマボウ(祖先種)とテリハハマボウ(固有種)で調べたところ、ガクに花外蜜腺のある前者ではアリが頻繁に訪れ、ガの幼虫による花芽の食害はほとんど見られなかったのに対し、花外蜜腺を失いつつある後者ではアリがほとんど訪れず食害率は高かった。アリは小笠原ではもともと少なく、テリハハマボウは進化の過程で花外蜜腺を失ったが、移入種のアリが増えた結果、オオハマボウと植食性昆虫との関係に変化が起きたと考えられる。

 

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