研究紹介 > 研究成果 > 研究最前線 2007年紹介分 > 高CO2環境下における樹木の光合成反応予測に新局面 -水分条件の影響-
ここから本文です。
2007年6月25日掲載
論文名 | Interaction of drought and elevated CO2 on photosynthetic down-regulation and susceptibility to photoinhibition in Japanese white birch (Betula platyphylla var. japonica) seedlings grown under limited N availability(窒素制限下におけるシラカバ苗木の光合成ダウンレギュレーションと光阻害への感受性に対する乾燥とCO2施肥の交互作用) |
---|---|
著者(所属) | 北尾 光俊(北海道支所)、小池 孝良(北海道大)、飛田 博順(北海道支所)、丸山 温(北海道支所) |
掲載誌 | Tree Physiology(樹木生理、カナダ)、27巻5号、2007年5月 |
内容紹介 | 化石燃料の使用量増大により、将来大気中のCO2濃度がますます上昇していくと考えられています。樹木は光合成により大気中のCO2を幹に蓄積するため、大気中CO2濃度の予測には、高CO2下における樹木の光合成能力を知る必要があります。一般に、貧栄養状態でCO2濃度が上昇すると、光合成能力は低下すると考えられていました。本研究では、シラカンバを用いて、貧栄養、高CO2環境下でも、灌水を制限することで枯れない程度の乾燥状態にして育成した苗では光合成能力が低下しないことを明らかにしました。すなわち、将来的な高CO2環境下における樹木の光合成反応を予測するためには、栄養条件とともに水分条件を考慮に入れる必要があることを見出しました。 |
お問い合わせ
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.