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若い林の中では背の高い木がヒノキカワモグリガに食害されやすい

2007年6月25日掲載

論文名 スギ若齢林における樹高と樹高成長量がヒノキカワモグリガの食害部位数に及ぼす影響
著者(所属) 佐藤 重穂(四国支所)
掲載誌 日本森林学会誌、89巻3号、2007年6月
内容紹介  ヒノキカワモグリガは全国に分布し、幼虫がスギ・ヒノキの内樹皮を食害して木材を変色させ材価を下げる穿孔性害虫ですが、林の中のどのような木が被害を受けやすいかが明らかではありませんでした。そこで、ヒノキカワモグリガの幼虫の食害箇所数について、スギの樹高および年成長量との関係を6年間にわたって調べました。樹高の高い木ほど食害箇所数が多く、特に幼虫数の多い年にその傾向が強く見られました。一方、スギの樹高成長量については幼虫の食害箇所数との関係はみられず、成長の旺盛な木が好んで加害されるというわけではありませんでした。樹高の高い木がより多く加害されるのは、同じスギ林の中でも樹高の高い木に、成虫が多く産卵しているためとみられます。

 

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