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ウラスギとオモテスギの分化を示す遺伝子を発見

2007年9月3日掲載

論文名 Genome-scan to detect genetic structure and adaptive genes of natural populations of Cryptomeria japonica.,(スギ天然林の遺伝構造と適応的遺伝子検出のためのゲノムスキャン)
著者(所属) 津村 義彦・角 友之(森林遺伝研究領域)、高橋 友和(新潟大)、谷 尚樹・伊原 徳子(森林総研)、岩田 洋佳(中央農研)
掲載誌 Genetics(アメリカ遺伝学会誌)、176巻4号、2007年8月
内容紹介  スギは日本の固有種であり、針葉や枝の形質から、多雪地帯の日本海側に分布するものをウラスギ、雪の少ない太平洋側に分布するものをオモテスギとして分けています。全国に点在して分布するスギ天然林をDNA塩基配列情報に基づき詳細に解析したところ、ウラスギとオモテスギは遺伝的に明瞭に分化しており、2つの遺伝子に大きな違いがあることがわかりました。分化に関与する遺伝子の違いは、積雪量のような環境条件などによる自然淘汰を受けた結果生じた可能性があります。このため、将来的にこのような遺伝子を指標として、環境条件に適応した造林材料の選定を効率的に行えるようになると考えています。

 

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