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木目の化粧性を活かせる耐火集成材の開発 

 2012年5月28日掲載

発明の名称 耐火集成材
発明者及び所属

 原田 寿郎 (森林総研 木材改質研究領域)、服部 順昭・安藤 恵介(東京農工大学)、宮林 正幸・塩崎 征男(有限会社ティー・イー・コンサルティング)

特許番号 特許第4958098号
特許年月日 平成24年3月30日
特許概要 わが国では、4階建以上の建物、防火地域内の延床面積100m2以上の建物は耐火建築物でなければ建設することができません。規制緩和により、木質であっても耐火構造認定取得の道は開かれましたが、通常の木材や集成材の梁や柱では、火災終了後に自然に炎が消えず、耐火性がないと見なされるため、耐火建築物に使用することはできません。石こうボードで木材を被覆すれば、耐火構造とすることは可能ですが、それではデザイン性や手で触れた時の温かみに優れる木材が材料の表面に現れません。そこで、構造上必要な荷重は、中心部の無処理部分が支え、その周りに、火災時に燃え止まることを期待して難燃薬剤を注入したラミナ(スギの板材)をロの字に配置して耐火性能を付与する方法を考案しました。難燃処理に当たっては、薬剤を均一に注入するため、レーザ等により木材に予め孔あけ処理することとしています。こうすることで、火災終了後に燃え進むことなく、自然に炎が消える集成材が開発されました。

 

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