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福島第一原子力発電所周辺の空間線量率の高い地域における森林の物質量の推定

2012年7月20日掲載

論文名   The total amounts of radioactively contaminated materials in forests in Fukushima, Japan (福島第一原子力発電所周辺の放射能汚染された森林の物質量の推定)
著者(所属)

橋本 昌司・鵜川 信・南光 一樹・志知 幸治(立地環境研究領域)

掲載誌

サイエンティフィック レポーツ (Scientific Reports: Nature Publishing Group)、英国、2012年5月25日(電子版) DOI:10.1038/srep00416(外部サイトへリンク)

内容紹介

福島第一原子力発電所の周辺から北西方向にかけては、除染特別区域等の汚染度の高い地域が存在します。その地域の森林には、汚染された樹木、落ち葉(リター)、枯死木、土壌などがあり、放射性物質の除染が検討されていますが、そのためには汚染物の総量を推定する必要があります。

森林に関するさまざまなデータベースを利用し、除染特別地域内のうちでも汚染度の高い1平方メートル当たり100万ベクレル以上のエリアを対象に森林の樹木、リター、枯死木、土壌(0–5cm深)の総量を推定しました。その結果、対象をこのように汚染度の高い地域に限定しても、総体積は3300万m3となり、総重量は乾燥重量で2100万トンと膨大な量になりました。特に土壌の量が大きく、一方でリターは土壌に比べて数%程度の量と非常に小さい量となりました。

本研究の推定結果は、放射能漏れ事故の被害の推定や、今後の除染計画を立てる上での基礎的なデータとして活用できます。

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