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2012年8月3日掲載
論文名 | Predicting oven-dry density of Sugi (Cryptomeria japonica) using near infrared (NIR) spectroscopy and its effect on performance of wood moisture meter (近赤外分光法を用いたスギ全乾密度の推定、および推定密度による含水率計の密度補正効果) |
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著者(所属) |
渡辺 憲・小林 功・黒田 尚宏(加工技術研究領域)、原田 真樹(構造利用研究領域)、能城 修一(木材特性研究領域) |
掲載誌 |
Journal of Wood Science、Springer 、2012年5月26日(電子版) DOI:10.1007/s10086-012-1268-4(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
木材の強度や寸法は含まれる水分の量(含水率)によって変化します。したがって、含水率は木材を利用する上で、非常に重要な値となります。ただ、含水率を簡便にそして正確に測定するのはなかなか困難です。簡便な電気的含水率計は市販されていますが、密度による補正が必要です、本来なら、含水率の測定前に一本一本の密度値を入力すべきですが、実際の現場では密度を簡単に調べることができないため、代表的な密度値を入力しています。このため、現状の方法では含水率の測定精度が高いとはいえません。 そこで、これまで簡便に測定できなかった密度を非破壊かつ瞬時に推定する方法を開発しました。この方法では、木材に光を当てて反射した近赤外光のスペクトルを解析し、密度を高精度で瞬時に推定します。次にこの方法で推定した密度値を入力して含水率計の補正を行ったところ、従来よりも高精度で板材の含水率を測定することができました。 この手法を実際の木材乾燥の現場に応用することにより、品質・性能を確保した木材製品の供給に役立たせることができます。 |
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