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更新日:2012年11月22日

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スギ大径材を効率的に製材し価値を上げる

2012年11月22日掲載

論文名 Influence of sawing patterns on lumber quality and yield in large sugi (Cryptomeria japonica) logs. (スギ大径材における製材品品質と歩止りへの木取りの影響)
著者(所属)

松村 ゆかり・村田 光司・伊神 裕司(加工技術研究領域)、松村 順司(九州大学)

掲載誌

Forest Products Journal、Vol. 62, No. 1、2012年8月

内容紹介

戦後に植林された人工林は成長し、数年後には50年生以上の林分の割合が6割に達することが見込まれています。なかでも、比較的に成長のはやいスギでは、径の大きい丸太の供給が増えつつあり、その適正な加工・利用方法が求められています。

丸太の径が大きくなると、断面の大きい製材品を生産することが可能となり、1本の丸太から採材できる製材品の種類も増えます。そこで、スギ大径材をいろいろな木取りで製材し、製材品の品質や歩止りを調べました。平角等の断面の大きいものを製材する場合には、木取りのしかたによって製材品の強度や曲がり等が影響されることや、丸太をヤング係数や含水率によって選別すると、製材の品質と加工の効率を大きく高める効果の得られることがわかりました。

丸太内の木材性質の変動や木取り位置による製材品の品質の違いを考慮することによって、信頼性が高く付加価値の高い製材品を生産することができるようになり、長い時間をかけて育ってきたスギ大径材の価値を、木造住宅や公共建築等に十二分に活かすことにつながるでしょう。

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