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刈り払いが外来種を繁茂させることもある

2016年4月1日掲載

論文名

Park pruning prompts a competitive reversal of an exotic tree, Ligustrum lucidum, in urban forests of Japan. (都市近郊林における刈り払いによる管理が、逆に外来種トウネズミモチの競争力を高めた)

著者(所属)

Lei Thomas ・ 西川 尚貴(龍谷大学)、山下 直子(関西支所)

掲載誌

Urban Ecosystems、Springer、2016年2月、DOI 10.1007/s11252-016-0539-z(外部サイトへリンク)

内容紹介

トウネズミモチは中国原産の外来樹木で、街路樹や緑化木として1960年代に日本に導入されました。外来生物法において要注意外来生物に指定されたことから、各地で駆除のための刈り払いが行われています。そこで、トウネズミモチに対する刈り払いの効果について調べました。その結果、刈り払いをおこなわないと、在来種のアカメガシワのほうが空間を占拠しましたが、刈り払いをおこなうとトウネズミモチの萌芽枝の成長が早いため先に空間を閉めてしまうことが分かりました。以上の結果からトウネズミモチの刈り払いは逆に在来種を被圧する可能性があるため、都市近郊林等の環境整備事業は、画一的に進めない、駆除効果を確認しつつ進めることが大切です。

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