研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2018年紹介分 > 大径木の年輪を知るための細長い円柱状の試料(成長錐コア)採取の省力化装置を開発
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2018年1月19日掲載
論文名 |
Smart increment borer: a portable device for automated sampling of tree-ring cores.(成長錐コア自動採取装置:年輪コア自動採取のための携帯型の装置) |
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著者(所属) | 香川 聡・藤原 健(木材加工・特性研究領域) |
掲載誌 |
Journal of Wood Science, 64(1): 52-58, February 2018, DOI:10.1007/s10086-017-1668-6(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
樹木の年齢・成長量を知るには、円柱状のコア試料を採取して、年輪を数える・年輪幅を測定する必要があります。成長錐は、樹木を枯死させることなく比較的少ないダメージで年輪のコア試料(成長錐コア)を採取できるので、広く用いられています。成長錐コアの採取は、従来人力で行われてきましたが、非常に大きな力が必要なため一度に多くの試料が採取できない・太くて長い成長錐コアは採取できないという問題がありました。この問題の解決のため、成長錐コアを省力で採取する装置が開発されてきましたが、それらは重く持ち運びに不便で、装置の設置にも時間がかかり、採取に人力より時間がかかります。 そこで、電動レンチを動力源として用い、(1)φ5mm成長錐コア採取用に総重量6.5kgの装置、(2)φ12mm成長錐コア採取用に総重量9.5kgの比較的軽量な装置を開発しました。この装置は軽量にもかかわらず、減速ギヤを用いて高回転・低トルクの電動レンチの動力を低回転・高トルクに変換することにより、材が堅く成長錐コア採取に大きな力を必要とするミズナラやチークの大径木からでも、長さ80cm以上の成長錐コアを短時間で採取できるようになりました。現在、フィールドワークでの持ち運びをより簡便にするため、さらに軽量化した装置を開発中です。これらの装置を用いれば、森林・木材研究において行われている成長錐コアの採取を大幅に効率化できます。
写真:コア採取風景 図:成長錐コア自動採取装置 |
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