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長い丸太でも効率的に山から運び出すことができる

2020年3月30日掲載

論文名

積載量が異なるフォワーダを用いた長尺材集材生産性

著者(所属)

鈴木 秀典・山口 智・宗岡 寛子・佐々木 達也・田中 良明・猪俣 雄太・伊藤 崇之・毛綱 昌弘・瀧 誠志郎・上村 巧・有水 賢吾・吉田 智佳史・山口 浩和・中澤 昌彦(林業工学研究領域)、陣川 雅樹(九州支所)、図子 光太郎(富山県農林水産総合技術センター森林研究所)

掲載誌

森林総合研究所研究報告、19(1)、森林総合研究所、2020年3月

内容紹介

わが国の製材工場などで使用される多くの丸太は長さが4m以下です。今後、これより長い丸太(長尺材)を運搬できれば、大規模木造建築や住宅の横架材(はりや桁など水平方向に用いられる部材)などの新しい用途を開発することができます。木材の伐採現場における運搬は、フォワーダと呼ばれる運搬機械を使用することが多いのですが、荷台の長さや形状から長尺材の運搬は不利とされていました。そこで、一般的な大きさの中型機(積載量4t)と、これより大きな大型機(積載量6t)を対象として、長尺材の運搬効率を調査しました。運搬効率とは、単位時間当たりの運搬体積になります(m3/hour)。その結果、どちらの機械でも丸太が長くなるほど運搬効率は低下しますが、その低下する割合は大型機の方が小さいため、長尺材の運搬には大型機が適していることが分かりました。大型機を使用すれば、8mの丸太でも従来(中型機による4m丸太運搬)に劣らない効率で運搬することができます。

この成果により長尺材の効率的な運搬が可能であることが示され、長尺材による新しい木材の価値の創出に貢献します。

 

(本研究は2020年3月に森林総合研究所研究報告に公表されました。)

 

写真:中型機による8mの丸太運搬 写真:大型機による8mの丸太運搬

写真:中型機(左)と大型機(右)による8mの丸太運搬。
荷台長に対して丸太が長い場合、中型機のように荷台前方に丸太を立てかけて積載します。
しかし、最大積載量より少ない量しか積載できないため、運搬効率が悪くなります。

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森林総合研究所 研究ディレクター 宇都木 玄
【研究担当者】
森林総合研究所 林業工学研究領域 鈴木 秀典
【広報担当者】
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