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2020年9月10日掲載
論文名 |
木材のチップ化エネルギーおよびコストに及ぼす原料寸法および樹種の影響 |
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著者(所属) |
藤本 清彦(木材加工・特性研究領域)、佐々木 達也(林業工学研究領域)、伊神 裕司・吉田 貴紘(木材加工・特性研究領域)、高野 勉(震災復興・放射性物質研究拠点) |
掲載誌 |
森林総合研究所研究報告、19巻2号、115-119、2020年8月 URL:https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/bulletin/454/index.html |
内容紹介 |
地球温暖化対策の1つとして木質バイオマスのエネルギー利用が進められています。廃木材など木質バイオマスをエネルギー源とするとき、小さく砕いて木材チップにしてから使用しますが、木材チップは安価で取引されています。そこでチップ製造工程の低コスト化を目指し、原料の寸法や密度(樹種)に注目して工程の効率化を研究しました。 長さ800mmで、幅や厚さ、樹種の異なる製材品を用意し、木材チップを製造したときの消費エネルギーを測定するとともに、得られたデータを基にチップ製造コストを算出しました。その結果、チップ1トンあたりの製造エネルギーおよび製造コストはともに、原料の寸法や密度が大きいほど減少することがわかりました。機械サイズによる能力の限界や、原料投入口サイズの限界の中で、できるだけ寸法や密度の大きな原料を投入した方が製造エネルギーやコストを抑えることができることがわかりました。 この研究から業者は所有しているチップ製造機械を用い、原料の投入方法を工夫するだけで製造の効率化を図れることが分かり、現場への実装が簡単な手法と言えます。
(本研究は2020年8月に森林総合研究所研究報告で公表されました。)
図1:チップ製造の模式図
図2:チップ製造エネルギー(MJ/t)
![]() 表1:チップ製造にかかるコスト(円/t) |
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