研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2021年紹介分 > 新たな食材の可能性を秘めたトリュフを発見
ここから本文です。
2021年5月21日掲載
論文名 |
Tuber iryudaense and T. tomentosum: Two new truffles encased in tomentose mycelium from Japan. (ビロード状菌糸に包まれた2種の国産トリュフ:キチャセイヨウショウロとチャセイヨウショウロ) |
---|---|
著者(所属) |
木下 晃彦(九州支所)、佐々木 廣海(菌類懇話会)、折原 貴道(神奈川県生命の星・地球博物館)、中島 稔(神奈川きのこの会)、奈良 一秀(東京大学) |
掲載誌 |
Mycologia 2021年4月 DOI:10.1080/00275514.2021.1875709(外部サイトへリンク) |
内容紹介 |
世界三大珍味の一つとして知られるトリュフは、セイヨウショウロ属の菌類がつくるきのこです。世界で10種以上が食材にされ、その多くが栽培されています。日本においても、3種について、栽培化を目指した取り組みを行っています。トリュフは、その香りがもてはやされていますが、その香りは種類によって異なる場合が多く、新しい種の発見は新たな食材につながる可能性を秘めています。今回、形態観察およびDNA情報の解析に基づいて、日本国内に自生するトリュフ2種を新種として発表しました。両種ともにきのこの表面はビロード状の菌糸で包まれることが特徴です。キチャセイヨウショウロ(Tuber iryudaense)は、国内1ヶ所だけしか確認されていません。一方、チャセイヨウショウロ(Tuber tomentosum)は関東以西に広く分布し、分子系統解析により、欧州や北米の食用の種と近縁であることがわかりました。このきのこは直径6cmの大きさまでになり、これまでの国産トリュフと同様に独特な香りを放ちます。今回の発見は、我が国のきのこ資源の豊富さを示しており、今後、栽培化に向けた検討とともに、さらに新たな種の探索を進めて行きたいと思います。
(本研究は、Mycologiaにおいて2021年4月にオンライン公開されました。)
写真:新種のトリュフ |
お問い合わせ先 |
【研究推進責任者】 |
お問い合わせ
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.