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Googleトレンドを使って、桜の開花状況を推定

掲載日:2022年9月1日

人々の関心の時空間変化を調べることができるwebツールである「Googleトレンド」を使って桜の開花状況を推定できることが「日本三大桜」を対象とした調査で分かりました。

また、開花予想の基になる開花状況データを毎年収集できる観測地点は年々減っていることから、Googleトレンドはその代替手段としても期待できそうです。

そこで、桜の名所「日本三大桜」に数えられている三春滝桜(福島)、山高神代桜(山梨)、根尾谷淡墨桜(岐阜)を対象に、「三春滝桜」「山高神代桜」「根尾谷淡墨ザクラ」それぞれを検索ワードに指定した場合の相対検索ボリュームと、ウェブサイトで公表されている各開花状況とを比較しました。

その結果、相対検索ボリュームは実際の開花状況に合わせるように開花とともに増え、満開でピークに達し、花が散るに従って減少する傾向を示しました。2020年春の三春滝桜は満開日に相対検索ボリュームが最大となりました(図)。

Googleトレンドを活用すれば、過去(2004年~)に遡って広域で開花日や満開日を推定できそうです。桜の開花予想は各種春のイベントの日程にも大きく関わり、社会的にも経済的にも重要な情報です。

(本研究は、2022年6月にPLOS ONEにおいて公開されました。)

 図:「三春滝桜」の相対検索ボリュームの変化とサイト上の開花情報
図:福島県における「三春滝桜」の相対検索ボリュームの変化と(株)三春まちづくり公社ウェブサイト上の開花情報。相対検索ボリュームは、検索期間において0から100の値に標準化した人々の関心の大きさを示す。

  • 論文名
    Monitoring of cherry flowering phenology with Google Trends(Google Trendsを用いたサクラの開花フェノロジーのモニタリング)
  • 著者名(所属)
    永井 信(海洋研究開発機構)、小谷 亜由美(名古屋大学)、鄭 峻介(森林管理研究領域)、堤田 成政(埼玉大学)
  • 掲載誌
    PLOS ONE、17(7): e0271648 2022年6月 DOI:10.1371/journal.pone.0271648(外部サイトへリンク)
  • 研究推進責任者
    研究ディレクター 宇都木 玄
  • 研究担当者
    森林管理研究領域 鄭 峻介

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