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掲載日:2025年2月18日
ゴキブリ類のみに寄生すると考えられていた昆虫寄生線虫がコガネムシ科のアカマダラハナムグリ(以下ハナムグリ)の成虫から見つかりました。寄生される生物(寄主)の範囲がある程度決まっているといわれる寄生虫類の寄主利用法(寄主選択)の進化について新たな知見をもたらす成果です。
研究グループは、森林総研関西支所構内で捕獲したハナムグリの腸内から検出された線虫について、顕微鏡で観察しDNA塩基配列を解析しました。その結果、ゴキブリ以外からの検出例がこれまでなかったHammerschmidtiella(ハメルシュミドティエラ)属の線虫と分かりました。ハナムグリが幼虫期間を過ごすカワウやオオタカなど大型鳥類の巣にはゴキブリも生息することから、この線虫は寄主をハナムグリに転換した、もしくは、ゴキブリにとどまらず広く寄主を利用できることを示しています。
(本研究は、Nematologyにおいて2024年11月に公開されました。)
写真1:アカマダラハナムグリから検出された Hammerschmidtiella 属線虫。
雌成虫で、左側が頭部。
写真2:アカマダラハナムグリ成虫。
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