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外来害虫タイワンタケクマバチ、タケの種類選り好みせず営巣

掲載日:2025年12月19日

国内で急拡大している外来害虫タイワンタケクマバチ(写真1、以下タケクマ)はタケの種にこだわらず、直径 15-28 mm 程度の枯れ稈に穴を開けて営巣することが京都府内のタケ類見本林などでの調査で分かりました。越冬個体は、オデコフタオビドロバチ幼虫との同居やニホンタケナガシンクイムシの穿入により数が減ることも確認されました。タケクマ防除に向けて必要となる基礎的な情報として役立つ成果です。

研究グループは、京都府内のタケ類見本林などで、タケクマが穴を開けたタケ種を調べました。その結果、マダケなど薄茶色で円筒状の一般的なタケに加えて、これらと異なる色・模様・形状をしたクロチク、スホウチク、シホウチク、ラッキョウチクなどにも営巣していました(写真2)。また、越冬中のタケクマは同じタケにニホンタケナガシンクイムシが穿入すると、そのフラス(糞と食べかすの混合物)で生き埋めになって死亡する場合があることも確認されました。一方、オデコフタオビドロバチによって越冬個体が減少するのは、営巣途中にタケクマが追い出されるなどの理由が考えられますが、今回の調査では確認が出来なかったため、今後の検討が必要です。

中国南部、台湾に分布するタケクマは、枯れたタケに穴をあけ、その節内部を巣にします。そのため、竹箒や園芸用支柱などに穴を開け、刺傷被害を起こす衛生害虫、民家の竹垣などに穴を開ける家屋害虫となっています。タケクマは、定着、増殖力が高く、日本国内での分布を急速に拡大しています。防除に先立って、害虫、外来種としての影響評価が必要ですが、日本国内での生活史や、他の昆虫との関係といった基礎的な情報が不足していました。

(本研究は、Insectsにおいて2025年8月に公開されました。)

外来害虫タイワンタケクマバチとタケの枯れ稈に穴を開けて営巣した様子の写真
写真1:タイワンタケクマバチ. A: 吸蜜中の雌成虫; B: 雌雄成虫の標本; タケクマに穿孔されたタケ稈(穿入口は矢印で示した); D: 穿入口(直径は約 6 mm)

写真2:マダケなど一般なタケに加えて営巣していた数種類の竹の写真
写真2:タイワンタケクマバチの穿孔が確認されたタケ種. A: マダケ主軸; B: ゴマダケ(クロチクの変種)主軸; C: スホウチク主軸; D: ラッキョウダケ主軸; E: マダケ断面; F: シホウチク断面. マダケを円筒形で緑色(枯れると薄茶色)の主軸を持つ一般的なタケの代表とした。これに対してゴマダケは主軸が濃い茶褐色になる、スホウチクは主軸に縦縞模様を持つ、ラッキョウダケは主軸の各節がラッキョウを引き延ばしたような形になる、シホウチクは、断面が円ではなく四角形になるという特徴を持つ。ここでは生きた状態のタケ稈の写真を示したが、穿孔は主に枯れ稈に起こる。

  • 論文名
    Nesting and hibernation host preference of bamboo carpenter bee, Xylocopa (Biluna) tranquebarorum tranquebarorum, and arthropods co-habiting and re-using the bee nest.
    (タイワンタケクマバチの営巣、越冬宿主選好性と、巣の再利用、同居節足動物)
  • 著者名(所属)
    神崎菜摘(関西支所)、小林慧人(関西支所)、濱口京子(関西支所)、藤森友太(明治大学)
  • 掲載誌
    Insects, 16, 807, 4 August
    DOI:10.3390/insects16080807(外部サイトへリンク) 別ウィンドウで外部サイトへリンク
  • 研究推進責任者
    研究ディレクター 八木橋 勉
  • 研究担当者
    関西支所 神崎 菜摘

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