研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2025年紹介分 > マツ枯れ北上阻止を目的としたアカマツ林から広葉樹林への転換、皆伐後6年の経過は順調
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掲載日:2025年12月23日
岩手県内のマツ枯れ北上阻止を目的としたアカマツ林の樹種転換について、その経過をモニタリングしました。その結果、天然更新によって広葉樹林への樹種転換を進めているエリアは、皆伐から6年後の現在、順調に広葉樹林へと発達しつつあることが確認できました。
マツ枯れの拡大阻止には早期に発見して駆除することが重要ですが、病原体である線虫を運ぶカミキリムシがアカマツ林を伝って移動するのを防ぐことも効果的だと考えられています。そこで、岩手県岩手町では2016年に森林管理署、県、町、民間、森林総合研究所が協定を結び、アカマツの空白地帯「防除帯」の整備が進められています。ここでは、対象となる未被害のアカマツ林を皆伐後、広葉樹林またはカラマツ林への樹種転換を計画しています。どちらへ樹種転換するかは皆伐前のアカマツ林の状況によって決められ、アカマツ林内に広葉樹が多く生育している場合は広葉樹林へ、広葉樹が少ない場合は立地条件も考慮してカラマツ人工林へと樹種転換する方針です。今回、広葉樹林への樹種転換を目指しているエリアでは、特にクリ、コナラ等の切株から発生した芽生え(萌芽)で素早く成長するタイプの樹種が多く生育しており、これらが皆伐後の早期の幹数増加に大きく貢献していました。
このように広葉樹林への樹種転換が順調に進んでいる要因は、天然更新を妨げるササやシカの食害が少ないことに加え、皆伐前に多くの広葉樹が生育していた場所を選んで実施したことだと考えられます。
(本研究は、東北森林科学会誌において2025年9月に公開されました。)
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| 写真1:皆伐前のアカマツ林 | 写真2:皆伐6年後の広葉樹の更新状況 |
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