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掲載日:2025年12月23日
分布域が大きく重なっているオオヤマザクラとカスミザクラに加え両種の雑種が混生している各地の「交雑帯*)」のうち、オオヤマザクラの南限では雑種の個体割合の高いことが遺伝子分析で分かりました。約2万年前の最終氷河期以降の温暖化に伴い冷温帯種オオヤマザクラは南限域で局所的に絶滅しながらも、その遺伝的性質が温帯種カスミザクラとの交雑で雑種に引き継がれ、交雑帯が維持されていると考えられます。
研究グループは2018年から2023年にかけて、山野に自生する温帯種カスミザクラの北限(北海道)、冷温帯種オオヤマザクラの南限(岡山県)、両種の分布域の中央部(栃木県)の各交雑帯で個体計775本の遺伝子を調べました。その結果、岡山県の交雑帯は北海道や栃木県に比べて、温暖な場所に生じ、雑種個体の割合が高く、遺伝的に交じり合っていることがわかりました。
*)交雑帯:異なる生物種の間に雑種ができる場合、両種の分布域が重なっている場所に交雑帯が生じます。交雑帯には、両種の個体に混じって、両種の種間交雑で生じた雑種個体が生育しています。雑種は、一般に生存や繁殖の能力が低く、多くの雑種個体は生き残ることができません。種間交雑による雑種個体の供給とその消失が釣り合うことにより、分布域が重複する場所に交雑帯が維持されています。
(本研究は、Plant Species Biologyにおいて2025年8月に公開されました。)

写真:オオヤマザクラ(左)とカスミザクラ(右)とそれらの雑種(中)
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