研究紹介 > 研究成果 > 研究成果 2025年紹介分 > 枯死木を利用する甲虫類を伐採地で保全するには、複数の樹種を保持することが重要
更新日:2025年12月24日
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掲載日:2025年12月24日
伐採時に森林の一部構造を残す森林管理「保持林業」において、残す樹種が枯死材性甲虫*)の多様性を左右することが明らかになりました。
研究グループは2020年から2022年にかけて、北海道有林の伐採地で伐採せずに保持した広葉樹や枯死木に衝突板トラップを仕掛け、枯死材性甲虫の種数や個体数を調べました。その結果、木の太さよりも樹種の違いが甲虫に大きく影響し、甲虫のグループによって好む樹種も異なることが分かりました。例えば、クワガタムシの種数や個体数はミズナラの木で多く、オオキノコムシやツツキノコムシの個体数はカンバの立ち枯れ木で多い傾向がありました。これまで保持林業の効果を高めるには「どのくらいの量の木を残すか」や「どのような配置で木を残すか」が重視されてきましたが、今回の結果は「どんな木を残すか」に着目することで、より効率的に森林の生き物を守ることができる可能性を示しています。
*)枯死材性甲虫とは、枯死木や枯死材とその周辺環境(枯死木に生えるキノコなど)を利用する甲虫グループを指します。本研究では、カミキリムシ、キクイムシ、オオキノコムシ、ツツキノコムシ、クワガタムシ、ハナムグリの6つのグループを対象としました。
(本研究は、Forest Ecology and Managementにおいて2025年10月に公開されました。)

写真1:調査地の様子。立ち枯れ木を含む様々な種類の木が伐採地にあることで多様な甲虫の生息環境が維持されます。

写真2:サルノコシカケなどのきのこを食べる枯死材性甲虫のオオキノコムシ。カンバの立ち枯れ木にはキノコが多く、このような種の重要な生息地になっています。
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