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掲載日:2025年12月26日
スギ・ヒノキ害虫ヒメスギカミキリは国内に広く分布し、近年欧米にも侵入している害虫です。今回、国際植物防疫条約(IPPC)の基準56℃30分より低温の50℃30分の加熱処理で確実に駆除できることが実験で分かりました。
IPPCでは、丸太の中心温度が56℃の状態で30分以上加熱することを植物防疫の国際基準として推奨していますが、害虫の種によっては確実に除去できない可能性がありました。研究グループは、5mlチューブ内にヒメスギカミキリを入れて、48℃、50℃、54℃でそれぞれ15分、30分加熱しました。その結果、50℃30分、54℃15分、54℃30分で幼虫・成虫ともに全個体が死にました。
日本から輸出される木材の検疫用途のくん蒸処理には臭化メチルがよく使われていますが、臭化メチルはモントリオール議定書でオゾン層破壊物質に指定され、現状では、植物防疫などで例外的に使用が認められています。今回の結果は、臭化メチルの削減にもつがなる成果です。
本研究は、農林水産省委託プロジェクト研究「日本と木材輸出相手国の樹木を外来病害虫から護る複合リスク緩和手法の開発」(JPJ012712)の支援を受けて実施されました。
(本研究は、Journal of Forest Researchにおいて2025年11月に公開されました。)

写真:ヒメスギカミキリ成虫

図:加熱がヒメスギカミキリの生存に及ぼす影響。左:幼虫、右:成虫。記号は加熱温度の違いを示す。
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