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接着剤による成虫脱出孔封鎖でクビアカツヤカミキリ防除

掲載日:2025年12月26日

桜や梅などのバラ科樹木に深刻な被害を与える特定外来種クビアカツヤカミキリ(以下クビアカ)は、羽化後に樹外へ脱出するための「脱出予定孔*)」を強力な接着剤で封鎖すると、ほとんど脱出できないことが分かりました。全国的に被害が広がり、街路樹や果樹を守る対策が早急に求められる中、環境負荷の少ない防除技術の確立に役立つ成果です。

研究グループは、クビアカが侵入した足利市のサクラ計7本で目視確認した脱出予定孔計37か所に対し、高い接着性と耐久性を持つエポキシ系接着剤を注入して塞いだところ、成虫脱出が観察された孔は18.9%でした。

一方で、見落としていた孔や目に見えない孔から脱出した成虫も確認されました。脱出予定孔の検出精度を高めるため、将来的には、画像解析などによる検出技術の導入が期待されます。

*)脱出予定孔:成虫になって樹木から脱出するための孔。クビアカでは、蛹(さなぎ)や成虫になる前の幼虫時に掘り、羽化脱出に向けて準備しておくことが知られている。

(本研究は、Applied Entomology and Zoologyにおいて2025年10月に公開されました。)

写真1:特定外来種クビアカツヤカミキリの被害を受けたサクラ樹木
写真1:(左)クビアカ幼虫が作ったサクラ樹木の外側から見た脱出予定孔。樹皮をわずかに残している。
 (右)クビアカ幼虫が作った脱出予定孔を含むサクラ内部の様子。心材部で蛹や成虫になる。

写真2:成虫になって樹木から脱出できないよう、高い接着性と耐久性を持つ接着剤を使用。
写真2:脱出予定孔にエポキシ系接着剤を注入している様子。

 

  • 論文名
    Preventing the emergence of Aromia bungii (Coleoptera:Cerambycidae) adults by locating and sealing emergence holes with adhesive (接着剤を用いてクビアカツヤカミキリ(コウチュウ目:カミキリムシ科)の脱出予定孔を特定し封鎖することで成虫の羽化を予防する)
  • 著者名(所属)
    滝久智(生物多様性・気候変動研究拠点)、松本剛史(究情報科)、加賀谷悦子(森林昆虫研究領域)、松島一司(足利市)、北島博(企画科)、田村繫明(森林昆虫研究領域)
  • 掲載誌
    Applied Entomology and Zoology, October 2025,
    DOI: https://doi.org/10.1007/s13355-025-00938-4(外部サイトへリンク) 別ウィンドウで外部サイトへリンク
  • 研究推進責任者
    研究ディレクター 前原 紀敏
  • 研究担当者
    生物多様性・気候変動研究拠点 滝 久智

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