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掲載日:2026年3月27日
ソバ畑近くの森林伐採跡地を草地として管理すると、ソバの花粉を運ぶことのできる昆虫(以下、送粉者)の割合が増えることを長野県飯島町での調査で明らかにしました。植物が増えることや日当たりが良くなったことが原因と考えられ、伐採と草地管理を組み合わせて農業と自然環境の両立が可能となる新たな土地利用法を示唆する知見です。
研究グループは同町のソバ畑周辺を調査地として、森林内、森林近くの伐採地、畑近くの伐採地の計3か所にテント型昆虫採集わなを計12個設置しました。2022年から2年間調査した結果、ソバの送粉者となり得る昆虫を合計5,535個体採集しました。伐採地では、特にハナバチ類やハナアブ類を含めたハエ類が常に多く、コウチュウ類やチョウ類も、年によって異なる反応を示しましたが、概ね多く見られました。
今後は、伐採による収穫量への影響や、長期的な環境変化についても調べる必要がありますが、日本各地でみられる小規模で多様な土地利用が混在するような地域では、森林伐採と草地管理を組み合わせた方法が、持続可能な農業と自然保全に役立つ可能性があります。
(本研究は、Ecological Engineeringにおいて2026年2月に公開されました。)

写真:ソバ畑横の森林伐採地(森林近くと畑近くの2カ所)に仕掛けられたテント型昆虫採集用のわな(マレーズトラップ)

図: 伐採地(畑近く)、伐採地(森林近く)、森林内にて、採集されたソバの送粉者となり得る昆虫の個体数
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