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けものの気配を感じてみよう

 

森の科学館1階には、多摩森林科学園に生息している哺乳類の19種のうち15種(在来種:タヌキ、ニホンアナグマ、ニホンテン、ニホンイタチ、ニホンノウサギ、イノシシ、ニホンジカ、ムササビ、ニホンリス、アカネズミ、アズマモグラ、ヒミズ、アブラコウモリ、外来種:ハクビシン、アライグマ)のはく製が、展示されています。ここは高尾山や陣馬山と連続した山林であるため、多くの哺乳類が西側の山地から侵入してきます。そのため、本州の低地林に分布する哺乳類のほとんどの種が生息します。開園している昼の時間帯にけものに会うことは難しいですが、けものたちのくらしを知る痕跡を見つけることはできます。

たとえば最近では、イノシシの堀り跡や泥浴び場がたくさんあるので、イノシシが増えている現状や、サクラ保存林・樹木園での被害の様子を見ることができると思います。樹木園ではムササビの食痕、巣穴、フンなどが観察できます。大きな木を滑空しながら暮らすムササビは、市街化に追われて生息地が減少している種の1つです。森の科学館には、イノシシやムササビの痕跡や生態を紹介したパンフレットがありますので、ご利用ください。

多摩森林科学園に生息する動物は時代とともに変化してきています。ハクビシンは1981年に、アナグマは1992年に、アライグマは2005年に初めて確認されるようになりました。また、イノシシは1999年から、シカは2013年から確認されるようになりました。人間生活との関わりの中で、けものたちの生活も変化していることが分かります。なかでも、近年各地で増加しているイノシシ、ニホンジカ、アライグマが多摩森林科学園でも見られるようになり、生態系への影響が危惧されています。

人間生活とけものの生息地とのちょうど交差点にあたる多摩森林科学園では、野生生物が市街地へ侵出しないように、市街地の動物が奥地へ侵入しないように、そして希少な種が生息できるように、適切な管理を目指しています。

 

ハクビシン

アライグマ

イノシシ

タヌキのタメ糞

モグラの塚

イノシシの掘り起こし

イノシシのヌタ場(泥浴び場)

ムササビの赤ちゃん