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クロメンガタスズメ(10月)

クロメンガタスズメ科学館前のブッドレア(ゴマノハグサ科)の葉をクロメンガタスズメの幼虫が摂食していました。「メンガタ」は漢字で書くと「面型」で,成虫(スズメガ)の胸部背面にドクロ模様があることで名づけられました。映画「羊たちの沈黙」でも犯人探しの手がかりとして一躍有名になったのでご存知の方もおられるでしょう。科学館前にいたのは灰褐色の個体でしたが,他にも黄色や緑の個体もあるようです。

不気味なのは成虫のその外見だけではなく,成虫・幼虫とも音を出すことです。この幼虫も指でつまむとピシッっという瞬間的(約40ミリ秒)な音(クリック音)を発しました。周波数レンジは広く,下は約2kHzから上はこの録音装置の測定限界50kHzを超える超音波までカバーしていました。最近の研究では多くのガの成虫は超音波を発生し,天敵コウモリとの情報戦を演じていることがわかってきました。いっぽうガの幼虫の発音の機能はまだ詳しく解明されていませんが,鳥類や他の昆虫類を威嚇しているという研究報告もあります。(文と図と音:や,写真:し)

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