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秋の鳴く虫・夜(10月)

別の記事で,「鳴く虫といえば夜」と書きましたが,ここ多摩森林科学園の夜は意外と静かでした。昼間と同じ場所(サクラ保存林内)を懐中電灯を頼りに歩きました。静かな理由は昼間あれだけ賑わしく鳴いていたヒゲシロスズやヒメコオロギが文字通り「鳴りを潜めた」からのようです。代わってモリオカメコオロギ(4.5kHz)が満を持したかのように悠々と鳴いています。低く優しくリリリリと聞こえるのがそうです。昼間と代わって連続的に鳴いています。さらに木の上ではアオマツムシ(5kHz)も鳴き始めました。この外来種の声には倍音構造があるため,リィーリィーリィーと甲高く聞こえます。しかし耳を澄ますと,微かにシリリシリリと高く断続的に鳴く何者かがいました。ヤマヤブキリ(8-9kHz)のようです。昼間も鳴いていたのかも知れませんが,多勢のヒゲシロスズ(7.6kHz)の同じく高い音のパワーにかき消されていたのでしょう。(種名のあとの数字は鳴き声の基本周波数です。種によっては気温に比例して高くなります)(や)

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