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冬に咲く花(1-2月)

冬に咲く花立春を過ぎたのにまだ気温は真冬、でもこんな中で咲く花もあります。多摩森林科学園では、もちろん‘寒桜’や‘河津桜’も咲いていますが、もう少し渋い花を紹介してみましょう。

第2樹木園に入ってすぐのところに(標識柱10番の近く)、5mくらいの高さのあまり目立たない木ですが、カワラハンノキがあります。見上げると赤レンガ色の房が垂れ下がっています。それが雄花の集合体(写真左)で、その少し根元寄りのところに、冬芽のように見える雌花(写真左・矢印)もあります。

第2樹木園の沢沿い(標識柱11番の近く)には、樹高30m以上にもなるメタセコイアが植えられています。こちらも枯葉のようなものがたくさん垂れ下がっていて(写真右)、よく見ると雄花のつぼみだとわかります。雌花もあるはずですが、よく見えません。もう少し経って花が咲くと花粉が大量に飛ぶので花粉症の方は心配になるかもしれませんが、メタセコイアの花粉アレルギーはほとんどないようです。

どちらの花序も房状に垂れ下がる地味なものです。それは、受粉を風に頼る風媒花であるため、動物に送粉してもらう必要がないからです。冬は虫も少ないので、目立つ花を咲かせて鳥や虫に受粉を頼る植物は、ツバキやウメなど限られた種類です。(し)