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‘寒桜’(かんざくら)が非常に早く咲く年が時々あります。多摩森林科学園での1981年から2010年までの30年間の開花調査(勝木ら2011)によると、仲通りにある‘寒桜’の平均開花日は2月10日、平均満開日は3月14日ですが、毎年HPで公開している「サクラ保存林開花情報」によると、近年の開花日は早いことが多く、2016年は12月22日、2017年は1月6日、2018年は1月18日となっています。なお、満開日は、2016年は2月6日、2017年は2月22日、2018年は3月4日です。
‘寒桜’の花は薄い淡紅色で中輪一重咲き。江戸時代から知られている栽培品種で、DNA分析(Katoら2014)によりカンヒザクラとヤマザクラの種間雑種に由来すると推定されています。いくつかの異なるクローンがあり、熱海桜などもそのひとつです(Katoら2012)。
間違われやすい名前のサクラとして‘冬桜’(ふゆざくら)という栽培品種がありますが、‘冬桜’の花は白色中輪一重咲きで、毎年秋から咲き始めて春まで開花が見られます。(よ)
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