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ゼンマイの発芽(4月)

ゼンマイサクラ保存林や第3樹木園でゼンマイの発芽が見られます。発芽の始めは写真1のような渦巻き状で表面が綿毛で覆われています。茶色っぽい葉や茎が出て広がり(写真2)、さらにしっかり展葉して緑色の2回羽状複葉の形になります(写真3)。これは栄養葉で、太陽光を受けて光合成を行いデンプンなどの栄養素を作る働きをします。シダの仲間にしては葉の切れ込みが少なく、小葉の先端が丸っこい形をしており、他のシダ類とは見分けやすい葉の形をしています。

栄養葉に混じって茶色ですくっと立った部分も見られます(写真3の左のほうに少し見えます)。これは次世代となる胞子を散布する働きを持つ胞子葉で、つぶつぶがたくさん集まったような形をしています(写真4)。胞子葉は展開中の若い時は緑色ですが(写真5)、成熟してくると写真4のように茶色ですくっと立った形になってきます。胞子葉も発芽の時には写真1のような渦巻き状ですが、栄養葉に比べてやや厚く、慣れてくると見分けられるようです。(よ)