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5月13日午前にテーダマツ林でハルゼミの初鳴きを観測しました。体長3cm前後の小型のセミで、羽は透明で体色は黒っぽく、ツクツクボウシを小型にしたような外見です。アカマツやクロマツなどのマツ林に局所的に生息し、本州ではセミの中で一番早く4月下旬から5月に鳴き始めます。1頭が鳴き始めるとこれに釣られて周辺の他個体が鳴きます。車のエンジン音などにも釣られるらしく、この録音日には作業のチェーンソウや飛行機の音にも反応して鳴きました。よく晴れた午前中を中心に鳴きます。近年はマツ材線虫病によるマツ林の消失により、生息地が減少しています。
松蝉とも呼ばれホトトギス派の俳人高浜虚子にも歌われています。
珊々と松蝉の声揃ひたる
「珊々(さんさん)と」とは吊り下げた複数の玉などがガラガラと鳴る様子で、「声揃ひたる」と併せてまさにこのセミの合唱性を現していますね。(や)
(セミの写真:税所康正氏のご好意による)Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.