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小さな白い花の付いた花穂が2本目立ちます(左写真)。センリョウ科チャラン属のフタリシズカです。やや暗い環境が好みで第1樹木園の林床などで見られます。
近縁のヒトリシズカ(一人静)に対して、フタリシズカ(二人静)と名付けられています。花穂は2本のものが多いようですが、1本だったり3本だったり、まれに5本の場合もあるようです。葉は茎に対生して付き、それが茎の上部近くに固まって数対つくので、輪生しているようにも見えます(左写真)。
花びらや萼は無く、花穂に並んで付いている個々の白いかたまりは、雄しべの花糸だそうです(右写真)。つまり、雄しべの花糸が3本ずつ固まって、その内側にある雌しべを包んでいるそうです。とても変わったつくりの花です。
センリョウ科は被子植物の中でも原始的な部類で、分子系統学の知見に基づくAPG分類体系では、単子葉植物よりも前に分岐した基部被子植物群の中に位置づけられています。(よ)Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.