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園内の道の上でキビタキのきれいな雄の成鳥がじっとしていました。外傷はないようでしたのでとりあえず捕獲して(写真)、袋の中に入れて静かな場所で1-2時間そっとしておきました。袋の中で少し羽ばたいたりして元気が出てきたので、捕獲した場所の近くに行って放してやると無事に飛んでいきました。何かにぶつかって一時的な脳しんとうのような状態だったのかもしれません。
野鳥を保護するのは難しい問題です。巣立ち時期の雛や幼鳥がうずくまっているのを見つけて保護したつもりが、近くで巣立ちを見守っていた親から引き離してしまうこともあります。うまく飛べないことはひとつの自然淘汰なので、手助けしてはいけないという見方もあります。この個体は成鳥で、雛が巣で待っているかもしれませんので、長く引き留めてもいけません。野鳥を捕獲して飼うことは鳥獣保護法で原則禁止されています。
キビタキは夏鳥として4月末頃から見られます。繁殖して子を育て、秋には南方に渡っていきます。いまの時期は連日、森の中で雄が高く澄んだ声でさえずっています。美しいさえずりが聞こえ、ときどき木の枝などに姿が見える、そんな自然環境を保っていきたいものです。(よ)
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