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スダジイの花の季節です。園内には長い間手を加えていない天然林が残されており、高木としてモミが見られ、その下に林冠層としてシイやカシが優占しています。サクラ保存林の周囲にはそのような天然林が数カ所あり、スダジイの花が見られます。
花が付くのは林冠部なのでなかなか目の前で花を見ることはできませんが、少し離れて林冠を見ると黄緑色のブロッコリのようになっているのがわかります(左写真)。拡大して見ると、白っぽい雄花と雌花がびっしりと咲いているのがわかります(右写真)。また、強い香りも発散しています。
ブナ科の中で花粉の送粉様式は、ブナ属(ブナやイヌブナ)やナラ属(コナラ、アラカシ、シラカシなど)が風媒であるのに対して、クリ属(クリ)やシイ属(スダジイ、ツブラジイ)は虫媒です。クリやシイは花を多くつけて目立ち、また強い香りも発散して、多くの虫の注意を引こうとしているようです。(よ)
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