ここから本文です。
銀色が目立つ小さなチョウが飛んでいます。ふつうはもっとせわしなく速く飛ぶチョウですが、少しゆっくりと行ったり来たりしたり、木の葉にとまったりしています。ウラギンシジミの雌です(左写真)。
翅(はね)の裏面は銀色のみです。表面は周辺の黒褐色の中に蒼白色の班紋が見えます。蒼白色の斑紋は雌の特徴であり、雄はこの部分が橙赤色です。年に2回程度発生し、夏型は6~9月に、秋型は9月頃から晩秋にかけて現れてきます。写真の個体は、前翅の先端が尖っている特徴から秋型です。越冬後のせいか、翅もかなり傷んでいる様子です。秋型の成虫は越冬して、次の春に産卵し、その卵が幼虫、蛹と育って、夏型の成虫になります。
しばらく見ていると、マメ科の葉にとまり、腹端をつけて、産卵しているようです(右写真)。幼虫の食草はマメ科の植物で、フジ、クズなどの花蕾、実、新芽などを食べて育ちます。本州(東北地方南部や関東・中部以南)、四国、九州、奄美諸島などに分布し、各地にふつうに見られます。(よ)
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.