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アナグマが科学館の近辺で、時々目撃されます。ときには2-3頭が一緒にいて、追いかけあったり、連れ添って歩いていたりする場面もあります。実は、アナグマは結構昼間も活動する動物です。閉園時間ごろ、公開区域を歩いてくるアナグマにばったり出くわすこともあります。
なかでも一番アナグマに会う可能性が高いのは、交尾期である今頃です。アナグマは科学園では春に出産し、子育てをしています。妊娠期間は約2か月ですが、交尾期はそれよりもはるか10か月前の6月頃です。着床遅延(ちゃくしょうちえん)という現象で、交尾後、受精卵は子宮内で待機し、条件が整った時期に着床して妊娠期間に入るという興味深い繁殖様式です。
もともと、あまり人間を気にせず行動する傾向があるアナグマですが、この時期はとくに繁殖に集中しているようで、人前に出てくる姿に驚かされます。アナグマは人に危害を加える動物ではありません。出会ったときは、そっと静止して、観察してみてください。(写:き、文:は)
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