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花も終わったエゴノキの葉の上に黒光りする小さな甲虫がたくさんいました。エゴツルクビオトシブミの成虫です。雄〈写真右〉は鶴のような長い首をもっているので,このような名前があります。雌〈写真左〉はこの「首」〈実際は後頭部〉が短く,ずんぐりとした体型です。体長は雄が8-9mm,雌が6-7mmと小さな虫です。
5月上旬,雌はまだ花が咲く前の主にエゴノキの葉に切れ目を入れ,それを丸め揺籃(写真中央)を作り,中に産卵します。オトシブミの仲間ですが,揺籃はあまり切り落とされることはなく,ぶら下がるものが多いようです。
茶色く変色した古い揺籃に混じって,青々とした新しい揺籃〈写真〉も見られました。そこで今回観察された成虫は春の揺籃から孵った新成虫で,この青い揺籃は彼らが作った2世代目のもののようです。(や)
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