ここから本文です。
園内には,灌木のムラサキシキブ類(ヤブムラサキ(Callicarpa mollis)とムラサキシキブ(Callicarpa japonica),両者の雑種もあり)がよく生えています。いずれも秋に紫色のきれいな実をつけ,シソ科(かつてはクマツヅラ科でした)に属し,対生の葉を持ち(写真中),よく似ています。葉を触ってみると,ヤブムラサキはビロード状の毛が生えていてふかふかの触感ですが,ムラサキシキブの方はざらざらしているので,区別できます。
今はこれらの花の時期です。両者は花も似ていますが,ヤブムラサキは,葉の下側に花が出るので,表からは花は見えにくい(写真左)のに対し,ムラサキシキブは,葉の上側に花が出るので,表からも見えやすい(写真右)点で区別できます。また,花期も前者の方が少し早く5月終わり頃ですが,後者は6月に入ってから咲く傾向にあります。
なお,観賞用には,もっと実付きの良いコムラサキ(Callicarpa dichotoma)という別種がよく栽培されます。(し)
Copyright © Forest Research and Management Organization. All rights reserved.