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第2樹木園やサクラ保存林の林床にヤブレガサの花が見られる頃になりました(写真1)。5月後半からやや細長い白いつぼみが付いていて、なかなか咲かないなあと思っていたのですが、ようやく咲き始めたようです。
1個の頭花(長さは1cm程度)の中に、多くの小花が入っており、個々の小花の先端に2本の雌しべがくるっと巻いて、まるでメガネのように見えます(写真2)。黒い縦縞の入った雄しべから花粉が出始める頃には花の周囲もにぎやかになって、いろいろな虫がきているようです(写真3はアリの仲間、写真4はクマバチ)。また、虫こぶが出来ることも多いようで観察してみると面白いと思います。
ヤブレガサはキク科ヤブレガサ属の多年草で、春の4月初旬頃に若い葉が出て来る時には、まるでやぶれた傘をすぼめているように見えます。(よ)
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