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林床でとても小さな花が咲いています。ジャノヒゲです。長さ10-20センチ程度の細い葉が根生する中に、写真のような薄い紫色の花茎が伸びてきています。
ジャノヒゲまたはリュウノヒゲと呼ばれ、細い葉を竜や蛇のひげに例えたものですが、蛇にはひげがなかったような気もします。分布は北海道から九州まで非常に広い範囲で、多摩森林科学園でも樹木園、サクラ保存林の林床などあちこちに見られます。
ジャノヒゲ属は以前はユリ科に分類されていましたが、APGIII分類体系ではキジカクシ目キジカクシ科に分類されました。キジカクシ科の中には、スズラン属、ギボウシ属、ヤブラン属、アマドコロ属などがあり、これらが近縁です。キジカクシ目の中にはラン科も入っています。いっぽう、ユリの仲間はユリ目ユリ科となって遠縁になりました。(よ)
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