研究紹介 > トピックス > プレスリリース > プレスリリース 2024年 > イマーシブテクノロジーが叶える「デジタル森林浴」の共同研究契約を継続。空間VR技術による生産性向上・疲労低減効果の科学的検証へ
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2024年5月13日
フォレストデジタル株式会社
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所
空間VR技術によって実現する「デジタル森林浴」 によって、副交感神経の上昇および⼼拍数の低下、気分の改善効果等が実証されました。本研究結果は、ポストコロナ禍でのワーカーの満足度やウェルビーイング向上を叶えるオフィス空間創出の課題を解決するものと期待されています。
24年3月以降の共同研究では、当技術による生産性向上・疲労低減をもたらすオフィス環境の創出と科学的検証等に注力いたします。
フォレストデジタル株式会社(本社:北海道十勝郡浦幌町、代表取締役CEO:辻木勇二、以下:フォレストデジタル)と国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所(茨城県つくば市、所長:浅野(中静)透、以下:森林総合研究所)は、共同研究契約を継続いたします。本契約に基づき、両者は空間VR”uralaa(うらら)”の生理的・心理的回復効果に関連する研究提言を推進します。
共同研究は21年5月から開始し、これまでに「デジタル森林浴」の生理的・心理的疲労回復効果を実証するなどの成果を上げてきました。引き続き、空間VR技術を用いた生産性向上・疲労低減をもたらすオフィス環境の創出と科学的検証に注力いたします。
コロナ禍のリモートワークからオフィスへの出社を求める企業が増える中で、ワーカーの満足度やウェルビーイング向上を叶えるオフィス空間は今後の社会課題を解決する一助になると期待しています。
今後の共同研究においては、オフィス環境における緑化が生産性向上・疲労低減をもたらす効果の科学的検証等に注力いたします。
オフィス環境の適度な緑化が「疲労低減」にもたらす効果ついては、多くの研究結果がある一方、過去に行われた関連研究を精査したところ、国内外でVR等を用いて「労働生産性」について検討した研究はほぼ行われていません。
オフィスの緑化による「労働生産性」向上は、その実態が明らかにされていないのも課題となっているため、本研究においては、「森林-木質要素」の「何」が「労働生産性」の向上をもたらすのかを検証する初めての研究となります。
具体的な研究手法としては、空間VR”uralaa”により実現した模擬オフィスにおいて、労働者の集中力、ストレス軽減、創造性、仕事への意欲などに与える影響を実験により調べます。
導入直後や導入後一定時間経過後などにおいて、生理・心理指標を用いた実験および質問紙によるオンライン調査を実施し、「デジタル森林浴」導入後の「労働生産性」・「疲労低減性」に関する長期的効果の科学的な検証を行う予定です。
共同研究の結果を社会に還元する際に、ゴーグル型のVR映像による評価結果をオフィス環境に展開するのは困難が伴う一方で、空間VRシステム”uralaa”は特別な改装等を伴わずに既往の居室に映像・環境音・芳香成分を展開可能であり、評価結果をそのまま新しいオフィス環境の構築に展開可能という点で非常に画期的と考えています。
既存の研究結果として、空間VR”uralaa(うらら)”の生理的・心理的回復効果は、副交感神経の上昇および⼼拍数の低下、気分の改善効果等が実証されました。
この「デジタル森林浴」の生理的・心理的疲労回復効果を確認した論文は、人間・ 環境系及び保健・衛生系の国際誌であるInternational Journal of Environmental Research and Public Health 誌(IF:4.614(掲載時))に、“Exploring the Physiological and Psychological Effects of Digital Shinrin-Yoku and Its Characteristics as a Restorative Environment(「デジタル森林浴」の生理・心理的効果と回復環境としての特性の探求)”として投稿し、原著論文として掲載 (2022年3月)されました。
この研究および普及の取り組みは、独創性や、様々な課題解決の場面において活用できる可能性を秘めている点で「人間・環境学」の発展に直接・間接的に大きく寄与したと評価され、2023年5月に「人間・環境学会(MERA)」の学会賞を受賞しています。
本学会賞受賞までにも、本論文は2,300回以上参照されるなど、人間・環境系分野における研究として関係者に大きなインパクトを与えています。
(実験室:映像・環境音・香りにより森林環境を再現。2021年2月、銀座にて)
フォレストデジタルと森林総合研究所の共同研究のリリースはこちらよりご確認ください。
https://www.ffpri.affrc.go.jp/press/2022/20220301/index.html
共同研究に関連して、フォレストデジタル株式会社はuralaa体験者の行動変容についてもアンケート聴取を行いました。その結果、体験者のうち約93%*¹の方の「現地に行きたい!」という意欲を引き出し、実際に約73%*²の方が投影された場所の検索行動をすることが明らかになりました。その結果をもとに、地方創生の現場でも空間VR”uralaa”が導入され、空間価値向上にも貢献しています。
(*¹ *² 自社調べ:N=41)
【空間VR ”uralaa(うらら)” 概要】
”uralaa”は、大型のマルチスクリーンによる映像やサラウンド音響システム、自然のアロマなどを用いて、あたかも森や自然の中にいるような「ひととき旅」体験ができる空間VRです。
世界初の技術となる”クラウドを通じたマルチスクリーン映像による没入自然空間を再現”するプラットフォームの開発に成功しました。(2022年 当社調べ)
VRでありながら、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)など機器不要のため、老若男女どなたでも室内で没入体験ができるのが特徴です。
スマートフォンやPCで日本全国の美しい森や自然を自身で選択でき、演出した空間コンセプトの実現に貢献し、地域の魅力発信・活性化にも貢献いたします。
弊社独自の技術により多様な天井・壁のサイズに対応し、継ぎ目も違和感なく、自然空間に没入することができます。(※プロジェクター性能による制限有り)
常設施設だけでなく、イベント目的で期間限定での導入も可能です。 場所や用途に合った最適な導入をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。
・空間VR”uralaa”の詳細、導入のご検討はこちら:https://uralaa.com/service/
【導入実績】
フォレストデジタル株式会社は、これまで数多くの場所で地域の自然や歴史・文化の魅力を発信し、「時と場所を超えて自然の価値を共有」して参りました。本研究成果のエビデンスをもとに、「空間VR ”uralaa”」は常設施設・イベント等の多様な形式で計17回採用され、採用していただいた企業の従業員やイベント体験者のウェルビーイングに貢献しています。
株式会社長谷工コーポレーション「サステナブランシェ本行徳」
(常設施設 国内8箇所)
(イベント 随時開催)
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