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更新日:2011年6月10日

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重点課題イイa 森林生態系における物質動態の解明

イイa

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  • 第2期中期計画成果集 重点課題イイa 森林生態系における物質動態の解明
  • 編集・発行:森林総合研究所
  • 発行日:平成23年3月
  • ISBN:978-4-902606-93-5

目次

はじめに

重点課題イイa 研究基本計画

研究課題群イイa1 研究計画

研究課題群イイa2 研究計画

重点課題の研究推進概要図

第2期中期計画全体を通じた研究課題一覧

主要研究成果

1. イオウを保持する火山灰土-その仕組みと保持量-

日本の火山灰土は遊離酸化物を多く含むため、世界有数のイオウ保持量があることが分かりました。

2. 森林の持つ環境汚染物質に対するフィルター機能の発揮

大気から森林に入ってきた鉛は、森林生態系内に保持され、鉛が渓流水中に流出するのを防いでいます。

3. 森林土壌の水移動に伴う物質フラックス

透水性のある素焼きの円盤(ポーラスプレート)を土壌中に埋めてポンプで水を吸引することにより、森林土壌中の水移動量・物質移動量を明らかにしました。

4. 森林流域の長期水質モニタリングとデータベースの公開

日本全国の代表的森林において降水および渓流水の長期水質モニタリングを実施し、流域における物質の流入流出の実態を明らかにするとともに、水質データベースを作成しウェブサイトを通じて公開しました。

5. 環境の変化によって大きく変化する樹木細根の成長量と枯死量

養分や水分の吸収とともに、土壌炭素の蓄積に強い影響を与える樹木細根の成長量や枯死量について、温度や土壌の乾燥等の環境の変化との関係を明らかにしました。

6. スギ落葉の分解過程における生物窒素固定

スギ落葉の分解過程における窒素固定活性を他の樹種との間で比較するとともに、窒素固定活性量を推定しました。

7. 森林の内部を循環する窒素

樹木の成長に不可欠な窒素を森林の内部で循環させて保つことの大切さを明らかにしました。

8. 土壌中への炭素の蓄積は針葉樹林と広葉樹林でどのように違うのか?

落葉の分解し易さや土壌に蓄積する炭素の形態は、針葉樹林(スギ人工林)と広葉樹林(ブナ・ミズナラ二次林)で異なること、その違いは落葉に含まれる成分の量や割合によって決まることが分かりました。

9. 森林の枯死木が地球温暖化防止機能に果たす役割

15の道府県で我が国の主要な植栽樹種の枯死木が分解する速さを測定しました。寒い地域では暖かい地域よりも分解する速さが遅く、炭素の貯留時間が平均して約2倍ほど長くなることが分かりました。

10. 森の土にはこうして炭素が溜まる

有機物分解過程の不明部分を明らかにして炭素蓄積過程をモデル化し、森林土壌の炭素蓄積量を推定しました。

11. 森林のせせらぎ、その水はどこをどのように流れてきたのか?

森林を流れる水の移動経路や起源を安定同位体比などのトレーサー手法と土壌水分・地下水位などの詳細な観測を通じて明らかにしました。

12. 森林をめぐる水の動き

スギ林やヒノキ林を舞台に単木~群落スケールで起きる様々な水の動きを明らかにしました。

13. 森林-大気間のエネルギーのやり取りと収支を明らかにする

数値シミュレーションを行い森林と大気間のエネルギーや熱のやり取りに関する現象の一端を明らかにするとともに、観測・解析技術の改良により潜熱観測値の精度を向上させ、高精度なデータベースの公開に繋げました。

14. 森林生態系での二酸化炭素(CO2)の移動と収支を明らかにする

森林生態系でのCO2の移動と収支を、タワーによる吸収量と森林構成要素の放出量の連続的な観測から明らかにしました。

15. 森林のメタンフラックス連続測定を可能に

レーザー測器を使った連続観測システムを開発し森林のメタンフラックスの時系列変動を明らかにしました。

16. フラックス観測ネットワークとデータベース公開

国内6か所の森林で行っている大気から吸収する二酸化炭素の量(フラックス)の観測結果をデータベース化し、森林総合研究所のウェブサイトを通じて公開しました。

研究成果の社会還元

  1. 講演会、シンポジウム森林講座等
  2. パンフレット、マニュアル等の刊行・公開
  3. ホームページによるデータベース等の公開
  4. プレスリリース等
  5. 関連公刊図書等

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