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多くの人口を抱える大都市及びその近郊地域に残された都市近郊林は、市民にとって最も身近な森林です。この都市近郊林を、植物の多様性や植生の自然度の視点から評価し、適切な管理のあり方を考えるための研究を行っています。また、研究から得た知見をもとに、現場の実情にあわせた現代的管理による都市近郊林の保全を提案しています。さらに、より広域的・長期的な視点から、気候変動が植物種の分布に及ぼす影響についても研究しています。
都市に近接する森林は、人間生活の影響を受けながら奥山とは異なる独特の生物相を維持してきました。都市域に残された森林がもつ生物保全の場としての機能を明らかにするために、生息環境の変化に伴う昆虫相の長期的変遷や、昆虫と植物との相互作用について研究しています。
近年、イノシシ、ニホンジカ、ツキノワグマなどの大型野生動物の分布拡大や生息状況の変化に伴い、農林業被害、市街地への出没、人身被害などの問題が各地で顕在化しています。被害の発生要因や動物の行動特性を踏まえ、人と野生動物の共存を目指した総合的な対策のあり方を検討しています。
都市近郊林は、広く大人や子どもたちの健康づくり、レクリエーション、学びの場としても利用されてきました。さらに近年ではマウンテンバイク、トレイルランニング、アスレチック施設、森林レンタルなどの新たな活用方法も生まれています。このような社会の動きや課題を明らかにする人文・社会科学研究にも取り組んでいます。
人々の目を楽しませる多摩森林科学園のサクラは、全国各地から収集された貴重な遺伝資源でもあります。サクラ保存林に多様なサクラを植栽し、また試験林内に野生のサクラが生育する多摩森林科学園は、各種のサクラ研究に好適な場所です。野生種と栽培品種との遺伝的関係の解明、開花時期の長期モニタリング、訪花昆虫の研究、接ぎ木や挿し木による増殖など、サクラ遺伝資源の保全と活用を図る取組みを進めています。これまでに報告されたサクラ類の病害は、2026年現在で60有余といわれています。これらの中には、サクラの種・栽培品種ごとに症状の表れる時期や程度などが異なるものがあることが解明されつつあります。地の利を活かしてサクラ類の病害の生理・生態的研究を行っています。
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