文字サイズ
縮小
標準
拡大
色合い
標準
1
2
3

森林総研トップ

ここから本文です。

ヒメアカタテハ(11月)

ヒメアカタテハ長い間成虫越冬が普通だと考えられていたが,幼虫が冬の間も少しずつ餌を食べながら越冬しているのが一般的らしいことが近年わかってきた。常時越冬できるのは,主に関東以南の沿岸部の暖地と考えられる。

関東では秋に個体数が増え,公園の花壇でもよく見かけるようになる。移動能力が強く,分布は世界中に広がる。初冬のある日,数回の降霜に耐えて咲き残ったセイタカアワダチソウの花を惜しむように訪れる,ボロボロのヒメアカタテハを見た。それは,自らの命を精一杯生きようとする昆虫の尊い姿だ。

春の七草の一つ,ゴギョウ(=ハハコグサ)などの野草を食草としていることもあるが,ゴボウ畑の害虫になることもある。科学園記録種。(た)

11月の自然探訪一覧へ