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第3樹木園の標識柱98番近くの坂道(階段)に小枝や果実がいっしょになって落ちてきたようなものがたくさん見られます(左写真)。甘い香りもしています。
これはケンポナシの果実が熟して、小枝などとまとまって落ちているものです。よく見ると、黒い球形の果実と、果柄が肉質に肥厚したものと、小枝などが見られます(中写真)。果実をつぶして見ると、果肉は薄くて、中から茶色の種子が出てきます(右写真)
特徴的な形をしているのは、果柄が肉質に肥厚した部分で、かじってみると梨のような味がして、梨のような香りもします。タヌキ、ハクビシン、テンなどの動物が果柄部と果実をいっしょに食べて、移動した先で糞をすることにより種子が遠くに散布されることが知られています。
ケンポナシはクロウメモドキ科ケンポナシ属の落葉高木で、国内では北海道、本州、四国、九州、国外では朝鮮半島、中国と広い範囲に分布します。(よ)
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