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第2樹木園の上の道に,いがに包まれた実がたくさん落ちています。北米の野生グリの1種チンカピン(Castanea pumila)です。変わった名前ですが,chinquapinと綴り,アメリカ先住民のPowhatan語由来だそうです。
いがは,日本の栽培グリに比べたらずっと小さいものですが,形はよく似ています。実の形はクリというよりドングリです。日本のクリは,野生のものでも1つのいがの中に,実が3個くらい入っているので,実の片面が平らになっています。ところが,チンカピンは1個しか入っていませんので,片面が平らになる必要がなく,ドングリのような形になっています。
これでいがが割れていなければ,カシワやクヌギの殻斗のようです。これを見るとドングリの帽子(殻斗)とクリのいがが同じものだというのがよくわかります。なお,樹木園のチンカピンの看板は,文字がほとんど消えていますのでよく注意してご覧ください。(し)
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